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上記以外でも、いわゆる子供の外科的な病気のお子さまはすべて拝見していますが、一般の外傷、熱傷などには対応しておりません。

虫垂炎(ちゅうすいえん) 傷の残らない虫垂炎(盲腸)の手術

虫垂炎(盲腸)とは

幼児期から学童期のお子さまの腹痛を起こす原因の中で、手術が必要となる病気としては最も頻度が高いのが虫垂炎です。一般的に、「盲腸」と言われていますが、実際には盲腸の先端にある虫垂とよばれる小さな袋状の突起物(図10.)が、何らかの原因で感染をおこし、化膿してしまう病気ですので医学的には虫垂炎とよんでいます。

虫垂炎(盲腸)とは

図10. 虫垂炎とは盲腸の先端にある虫垂とよばれる小さな袋状の突起物が化膿した状態です

虫垂炎の症状

腹痛、発熱、嘔吐などの症状がでます。最初は、みぞおちやお臍の周りが痛くなり、徐々に右の下腹部に痛みが移動していきます。しかし、小さなお子さまの場合は、痛みを正確に伝えられず、診断が遅れてしまうことも少なくありません。お子さまの場合は、虫垂の壁が薄いので、治療が遅れると、虫垂が破れ(穿孔)てお腹全体に炎症が広がり重篤になりやすいのです。上記のような症状がある際は病院を受診してください。

虫垂炎の診断

虫垂炎の初期であれば炎症は虫垂に限局していますが、進行すると周囲に膿のたまり(膿瘍)ができたり、炎症がお腹全体に広がって(腹膜炎)しまったりします。
炎症がお腹全体に広がり腹膜炎の状態になってしまった場合は、手術が必要になります。 腹膜炎がお腹全体に広がる前に虫垂炎が明らかになった場合は、ばい菌を抑え込むお薬による治療か、手術により虫垂を切る治療かを選択することができます。お薬で炎症を抑えこむ治療ですと、手術をしなくてすむので、手術に伴う危険性の心配はありません。かなり激しい炎症でもお薬で抑え込めない場合はほとんどありませんが、いったん虫垂炎が治まったとしても約1/4のお子さまに虫垂炎が再発することがわかってきました。そのためお薬で治した後も繰り返し再発する場合は手術をおすすめしています。
最近では、虫垂炎をいったんお薬で抑えた後、3-4か月後に今後虫垂炎にならないように予防的に虫垂を切る手術を行うことも行っています。炎症のない時に手術を行うことで、手術の危険性が低くなるといわれています。夏休みなど、お子さまの長期休暇に合わせて手術をすることも可能です。

手術に伴う危険性

私たちは常に安全第一に手術を行っておりますが、合併症はゼロではありません。 今まで当院では経験したことがない合併症も含めて、一般的な虫垂切除術のリスクとしては、以下のものが知られています。

このなかでは臍の傷が膿むことが時に見られますが、傷の洗浄などで自然に治癒することがほとんどです。

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虫垂炎の手術方法

私たちの病院で最近行っている腹腔鏡による虫垂炎の手術方法

図11. 私たちの病院で最近行っている腹腔鏡による虫垂炎の手術方法

虫垂炎の腹腔鏡手術の傷痕

図12. 虫垂炎の腹腔鏡手術の傷痕

以前は、虫垂がある右下腹部の皮膚を5−6cm程度切って、虫垂を切除していましたが近年では虫垂炎に対しても腹腔鏡を用いた手術が増えています。私たちの病院では、腹腔鏡手術の中でも、お臍の傷だけで手術をする単孔式腹腔鏡手術(図11.)を行っており、虫垂炎に対しても傷をほとんど残さず治すことが可能です。当院では、1997年から腹腔鏡による虫垂炎の手術を行っていますが、2011年7月から単孔式に変更し、現在までに40例以上行っています。体への負担が少なく、傷が目立たないだけでなく(図12)、手術後の痛みや傷の感染を減らすことができました。 ただし、虫垂炎が進行して腹膜炎になっている際は、単孔式の手術が困難な場合もありますので、安全を最優先に考慮し、必要であれば5−10mm程度の傷を追加し、内視鏡用の鉗子を追加する場合もあります。

臍ヘルニア

私たちの病院で最近行っている腹腔鏡による虫垂炎の手術方法

図13. 臍ヘルニアに対する手術

いわゆる出べそです。 生後まもなくへその緒がとれた後に、お臍がとびでている状態を臍ヘルニアといいます。へその緒でお母さんとつながっていたため、生まれてからしばらくはお臍の下の筋肉が完全に閉じておらず、泣いたりいきんだりしてお腹の圧が高くなったときに、お臍の下の筋肉の隙間から、腸などのお腹の臓器が飛び出し、出べそになります。 5-10人に一人の割合でみられますが、だんだんお腹の筋肉が発達してくるので1歳までに約9割のお子さまが自然に治ります。鼠径ヘルニアとは異なり、腸などお腹の臓器が飛び出てはまり込み(嵌頓)、緊急で処置が必要になることがほとんどないため、急いで治療を行う必要はありません。早くきれいに自然閉鎖させるために、綿球や絆創膏でお臍を圧迫する方法がありますが、皮膚がかぶれたりするなど続けるのが難しい場合も多く、外来で相談しながら経過観察をすることになります。 1-2歳を過ぎても自然に治らない場合は手術が必要になることがあります。お臍の皮膚が飛び出ていた分余ってしまっていることがあり、本来のお臍の形に応じてきれいに形を整える形成術も行っています。

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